診察症例:トイ・プードル 1歳 メス 壊死 離開 MRSA感染|下野市・小山市の動物病院|二次診療・夜間救急対応のちょう動物病院

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院長の症例紹介

診察症例:トイ・プードル 1歳 メス 壊死 離開 MRSA感染

主訴は「他院にて手術を行い抜糸したが、傷口が治らない」との事でした。

 

 初診時

 

他院にて抗生剤の処方はされていましたが、創の一部は離開し壊死が生じていました。

 

そのためまず当院では壊死創の除去を行い、親水性のポリウレタンフォームパッドを利用し皮膚の再生を促しました。

 

 創部の顕微鏡画像

 

また創部には球菌が多く確認されたため、引き続き抗生剤に関して内服して頂きました。

 

 初診より10日後

 

3日に1回は来院して頂き、消毒とパッド・包帯交換を行い、10日目には肉芽も増生し、経過良好でした。

ですが、抗生剤を内服していても創部の細菌感染は改善しないため、細菌培養を行い、薬剤の感受性を外注にて調べました。

 

後日の検査結果では「MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)」が確認されたため、今までの抗生剤を変更し治療を行いました。

「MRSA」というのは薬剤耐性を持つ代表的な菌です。

身の回りにある菌で健康な動物には害にはなりませんが、免疫力が弱っていたり、創傷部に感染すると一般的な抗生剤が効かないため「MRSA」に耐性が無い抗生剤を検査して処方を行います。

 

 初診より17日後

 

抗生剤変更後は創部の退縮もスムーズでした。

 

 初診より22日後

 

初診より22日後には創部も乾燥していたため、その後1週間の内服の追加と腹帯にて経過を観察し、治療を終了としました。

 

今回は転院前より抗生剤を内服しており、抗生剤の長期内服も耐性菌が生まれた要因ではないかと考えています。

飼い主様のご理解やご協力もあり、外部検査にて「MRSA」感染や耐性薬剤も判明した事で改善も早かったのではないかと思います。

抗生剤の長期投与や不定期な投与は耐性菌の発生の確率を高めます。

もしこういった抗生剤の投与で治らない場合は、一歩踏み込んだ検査もご理解頂きたいと思います。

 

 

 

 

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