診察症例:ネコ(Mixed) 6歳 メス 薬物中毒 急性腎不全 ホウ酸団子|下野市・小山市の動物病院|二次診療・夜間救急対応のちょう動物病院

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院長の症例紹介

診察症例:ネコ(Mixed) 6歳 メス 薬物中毒 急性腎不全 ホウ酸団子

主訴は「3日前から元気が無く、よく吐いている」との事でした。

 

来院時に排尿がありましたが、尿色は茶褐色で血餅を含み、可視粘膜は黄疸、脱水も重度でした。

バイタルも低いため血液検査を行うと、白血球は測定不能、カリウムは2.8mEq/lと低値で、BUN、CRE、GPTは高値を示し、腎不全状態でした。

 

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腎臓と膀胱の超音波検査画像

 

血尿の原因を追究するため腎臓と膀胱をエコーで確認すると、腎臓には血流があまり確認できず、膀胱も何か濁っている様な印象を受けました。

 

全ての検査結果を飼い主様にご説明すると、「3日前にホウ酸団子を食べた跡があった」とお話しを頂きました。

このお話から、ホウ酸団子での中毒による急性腎不全と血尿と診断しました。

 

その後、血尿や血圧低下、低体温などの症状のため薬剤投与などを行いましたが、翌日に亡くなりました。

 

今回はゴキブリ退治に使用するホウ酸団子の誤食による薬物中毒での症例でした。

当院でもネズミやゴキブリの退治のため、トリモチに引っかかってしまったり、薬剤を舐めてしまった動物の治療を行っています。

早期発見すれば催吐処置や点滴などで回復出来る可能性は高いですが、時間が経過してしまっている場合は薬剤が体に吸収され様々な障害を起こしてしまっているため、その後の治療の甲斐なく障害が残ってしまったり、最悪の場合は死亡するケースも少なくありません。

財団法人日本中毒センターが公表しているホウ酸団子の主な中毒症状では嘔吐などの消化器症状始め、腎・肝障害、低体温と今回の症例と類似するものばかりです。

ご自宅でゴキブリなどの回避のために薬剤を使用される場合は必ず動物や子供が勝手に触らない場所に置いて下さい。

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