手術症例:ネコ(Mixed) 5歳 メス 腰背部筋膜ヘルニア ヘルニア整復
主訴は「3日前に保護し、背中が膨らんでいる事に気づいた」との事でした。
エコーで腰背部を確認すると蓄膿などはありませんでしたが、一部のみ筋膜が薄く、ヘルニアになっている可能性が高い事をお伝えしました。
ですが、来院時には熱も高く、便から寄生虫感染も確認されたため、第一に解熱と駆虫の治療を行い、経過が良くなった後にヘルニアの処置を改めて行う事を飼い主様に承諾して頂きました。
初診より1か月後、ヘルニア部は少々膨らみを増していた事から、避妊手術と一緒に腰背部ヘルニア整復を行いました。
ヘルニアが重度の場合はバードメッシュ挿入も考えましたが、縫合のみで今回は整復出来ました。
その後、翌日には退院し、術後2週間ほどで抜糸し治療完了としました。
今回は腰背部にヘルニアが生じるという珍しい症例でした。
ヘルニアに至ってしまった経緯は詳しくは不明ですが、外での生活の中で咬傷や外傷などで腰背部にケガをして生じた可能性がある事をお伝えしました。
外で生活している動物はケガや寄生虫・ウイルスなどの感染の危険にさらされて生活をしています。
そういった動物を保護する場合は動物病院に受診し、適切な治療・処置を受けましょう。