手術症例:イヌ(Mixed) 8歳 メス 腫瘍切除 乳腺複合腺腫 子宮水腫
主訴は「胸のあたりに黒いしこりがある」との事でした。
来院時は元気・食欲も異常無く、腫瘤に関しても気にはしていない様でした。
ですが、未避妊である事から乳腺腫瘤の可能性がある事をお伝えし、手術を希望されたので腫瘤切除と避妊を行いました。
今回は右側の第二乳腺付近の腫瘤を切除しました。
摘出後の子宮と卵巣
また避妊手術では摘出した子宮は膨れて漿液が溜まっていて、「子宮水腫」と診断しました。
「子宮水腫」は無菌な漿液が子宮に溜まる病気ですが、症状が出ないため、一見元気で普通に過ごすことが出来ます。
ですが感染すると子宮蓄膿症になる可能性もありますので注意が必要です。
今回の症例は乳腺腫瘤の再発の予防として避妊手術を行いましたが、偶発的に発見出来ました。
麻酔覚醒も順調だったため、術後次の日には退院し、経過を見ました。
今回の乳腺付近の腫瘤の病理検査の結果は「乳腺複合腺腫」という良性腫瘍でした。
浸潤も認められず、完全に切除されているということで、現在も予後は良好です。
避妊も行い、再発の可能性は少ないとは思いますが、今後も経過を診ていきたいと考えています。