手術症例:シーズー 8歳♀ 舌の咬傷 縫合
主訴は「他の犬に舌を咬まれた」との事でした。
特にシーズーやフレンチブルドッグや狆などなど・・・単頭種の場合は舌が出ている場面も多く、顔をケガした場合に舌もケガをしてしまうこともあります。
今回の症例も同様に顔を咬まれそうになり、避けようとして舌を咬まれてしまったそうです。
すぐ処置を行いたい気持ちもありましたが、年齢も中高齢だっため、エコーや血液検査などで精査する事を飼い主様にお伝えしました。
血液検査にてALPの上昇は認められましたが、エコー検査上明かな異常は無かったので、その日に手術を行いました。
縫合前
舐められたりすると分かると思うんですが、犬の舌は柔らかく、意外に肉厚です。
なので縫合も1ヶ所では無く、背側と腹側の2方向で縫合を行います。
また咬傷の場合は傷口がキレイに裂けているわけでは無く、ギザギザになって他の部分より舌色が悪くなっている場合もありますので、縫合部を整える必要もあります。
縫合後
舌はほぼ毎日食事などで使用するため、刺激を一切与えないことは不可能です。
そのため太めの糸で縫合する必要がありました。
また抜糸も難しいので、吸収糸という時間が経つと体内に吸収される糸を使用します。
最終縫合日より2日後には普通に食事もでき、1週間後には糸は残っていますが、エリザベスカラーも外して普通の生活に戻れています。
吸収糸のため全てが無くなるまではまだ時間を要しますが、元気に食事が出来るようになったと飼い主様にも喜んで頂けました。
今回の症例では、咬傷発生後すぐにご来院頂き、処置もスムーズに行えた事で、傷も広がらず大事には至らないで済んだと考えています。