手術症例:ミニチュア・シュナウザー 6歳♀ 除石 抜歯 歯科処置
主訴は「前歯の歯茎が後退している」との事でした。
食事などは出来ており他院にて経過観察をしていましたが、当院での処置を希望されたため歯科処置を行いました。
この図のようにイヌやネコは4種類の歯で構成されています。
名前や役割が異なり、動物の種類によって永久歯の数も違ってきます。
今回の症例では、特に上顎の犬歯の歯肉の後退が大きい所では10mmに達していました。
臼歯部の歯周ポケットも深かったため、全体的に歯に動揺が生じていました。
歯周ポケットは正常でも2~3mm以下と言われていますので、今回は除石・抜歯の他に歯茎の引き締めを行うためにレーザー治療も施行しました。
歯科処置前
歯科処置後
「歯磨き」を適度にして頂いていたので、通常多く歯石が付きやすい臼歯に関しても、切歯と同じような歯石付着の印象でした。
ただ今回は歯茎の後退が重度だったため、動揺が大きく、食生活などで痛みを伴う9本の抜歯を行いました。
こちらの犬歯に関しては、歯周ポケットは深かったですが、動揺が無かったため
レーザー治療で歯茎の引き締めを行い、処置は終了しました。
以後、1年経過を観察していますが、生活に問題は無く元気に過ごしてくれています。
今回の場合は年齢も6歳で術中も安定していたため、少々お時間がかかりましたが、飼い主様と電話で相談しながら処置を勧めさせて頂きました。
歯科処置の場合は痛みの元を取り除きたいために抜歯を希望される場合と歯の温存を希望する場合と飼い主様達で意見が分かれる所ではあります。
当院では出来るだけご希望に添える処置を行いたいとは考えますが、今後の生活などに支障を来す場合は温存することは難しい事を飼い主様方にもご理解頂きたいと思います。