手術症例:アメリカン・コッカ―・スパニエル 7歳 オス 脱臼 大腿骨頭切除|下野市・小山市の動物病院|二次診療・夜間救急対応のちょう動物病院

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院長の症例紹介

手術症例:アメリカン・コッカ―・スパニエル 7歳 オス 脱臼 大腿骨頭切除

主訴は「2日前より右後ろ足のに体重が掛けられない」との事でした。

 

以前より同症状を何度も繰り返しており、他院にて「脱臼」の診断をされていたので、当院には手術希望で来院されました。

 

 レントゲン画像

 

黄色い丸部分が脱臼部です。

股関節脱臼は大腿骨が寛骨臼から逸脱する事で生じます。

股関節脱臼は形成不全や外傷など要因はありますが、今回の場合は以前から症状が繰り返し起こり、飼い主様も希望されていたので手術のお話しを進めさせて頂きました。

 

今回の股関節脱臼では、脱臼の原因となっている「大腿骨頭」の切除を行います。

この方法は人工関節を用いるよりも予後も良好で、疼痛も取り除き歩行もスムーズに出来るため4本歩行の犬や猫にとっては一般的な手術方法です。

 

 皮膚切開

 

主に大腿(太もも部分)の切開を行い、筋肉の奥にある大腿骨頭を確認します。

今回の場合、切開時に脱臼した大腿骨頭が歩行や姿勢の変化で当たっていたのか内出血が見られました。

これが主に疼痛の原因です。

 

 大腿骨頭部

 

周りの組織を剥がしながら、大腿骨頭を露出させ、切除位置を確認していきます。

 

 切除された大腿骨頭

 

 術後のレントゲン写真

 

術後のレントゲンにて股関節の状態を確認したのち、手術は終了です。

 

この方法をお話しすると「歩けなくなるのでは…」と心配される方もいますが、動物達の治癒能力で偽関節が形成され通常の歩行が出来るようになる事が多いです。

今回の場合も入院で完全安静にし、術後3日目には退院し、抜糸までは過度な運動は控えて頂きました。

術後12日目で抜糸を行い、術後20日目には歩行はスムーズに行えていたので治療終了としました。

 

今回の「脱臼」ですが、戻せたとしても何度も繰り返してしまう事も多いです。

経過が長いと内出血や骨の変形、また脱臼肢のみ筋肉量が減ってしまうなど様々な弊害も生じてしまいます。

手術は最終段階の選択ではありますが、何度も繰り返す場合は手術という選択も考えて頂きたいと思います。

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