手術症例:ミニチュア・シュナウザー 8歳 メス 子宮蓄膿症 膀胱癒着
主訴は「3日前より食欲と元気がない」との事でした。
嘔吐はありましたが、水だけはよく飲んでいるという事と中高齢で未避妊という事から「子宮蓄膿症」を疑い精査しました。
子宮が不規則に映っている事と血液検査の結果から「子宮蓄膿症」と断定し、緊急手術に同意して頂きました。
以前他院にて膀胱結石摘出をおこなっていたため膀胱と子宮の癒着があり、今回は剥離するのに時間を要しました。
また来院時より低血圧が続き、麻酔と血圧のコントロールにも気を使いました。
子宮断端と摘出子宮・卵巣
今回は閉塞性の子宮蓄膿症だったため、腹部への膿の漏れの心配はありましたが、実際には漏れも無く腹膜炎なども生じていませんでした。
経過良好な事から術後2日目には退院し、術後10日目で抜糸を行い治療終了としました。
今回の症例の様に以前何度か結石摘出や帝王切開で開腹手術を行っている場合、皮膚や多臓器への癒着の可能性があり、多臓器を傷つけないため癒着部を剝がしながら行うので通常の手術より時間を要する事が多いです。
何度も手術を行う事は癒着の様なデメリットを生じる事もあるので、ご理解頂きたいと思います。