手術症例:イヌ(Mixed) 4歳 メス 鼠経ヘルニア
主訴は「脱腸が大きくなってきた」との事でした。
1歳の時から当院に通院して頂き、鼠経ヘルニアについては指摘をしていましたが、手術を望まれなかったため経過を観察していました。
その後3年経過し、徐々にヘルニア部が目立つようになった事から手術を希望されました。
また鼠経ヘルニアの手術と同時に避妊も希望されました。
ヘルニア部とヘルニア嚢
手術を行うまで無症状ということでしたが、4kgの体に対してはヘルニア部は大きい印象を受けました。
ヘルニア孔は大きかったですが、腸も絞扼されることも無かったため手術後翌日には退院し、術後10日目で抜糸し治療終了としました。
今回の症例では3年という月日をかけ、徐々にヘルニア部が大きくなっていったため手術に至りました。
確かに初めは無症状で足の付け根部分に膨らみがある程度にしか認識されませんが、時間の経過とともに腸が入り込んで腸閉塞になり状態を悪化させる可能性もあります。
足の付け根部分に膨らみがある場合は動物病院の受診をお勧めします。