手術症例:トイプードル 6歳 オス 尾根部腫瘤切除 好酸球性腺腫 アポクリン腺腫
主訴は「1年前からお尻の部分にしこりがある」との事でした。
本人も気にしていなかったため経過を見ていたとの事でしたが、徐々に腫大化したため来院され、手術を希望されました。
来院時の腫瘤の大きさはΦ2.5㎝でした。
肛門付近の手術の場合は排便などで汚染を防ぐため、剃毛をして、一旦肛門を縫合してから手術を行います。
肛門腫瘤は表皮と直上部分が固着しており、上皮との剥離が困難だったため、辺縁直上切開から分離切除を行いました。
そして切除部位は病理組織検査に提出しました。
後日、病理検査結果は「好酸球性線種」で、良性腺腫でした。
発生部位からアポクリン腺腫の可能性が高いと言うことですが、今回の病理検査では皮膚付属器由来か嗅腺由来かは決定的な特定には至りませんでした。
どちらに関しても良性の場合は再発は稀で、術後1年以上経過しても再発はありません。
今後も経過を注意して観察していきたいと思います。