診察症例:マルチーズ 12歳 メス 低血糖 貧血 脾腫(脾臓腫大)|下野市・小山市の動物病院|二次診療・夜間救急対応のちょう動物病院

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院長の症例紹介

診察症例:マルチーズ 12歳 メス 低血糖 貧血 脾腫(脾臓腫大)

主訴は「家でぐったりしている」との事でした。

 

夜間来院時には可視粘膜は白く、脱水の印象もあったので、すぐ血液検査を行いました。

血液検査より重度の貧血・血小板減少・脱水があり、血糖値は30mg/dlと低血糖状態でした。

飼い主様から「ここ1週間ほとんど食事が出来ていない状態だった」との稟告から、脱水や低血糖が生じたと考えています。

ですが、食欲不振の原因が追及できずにいたので、まずは低血糖と脱水の改善を行うために点滴入院にて管理し、バイタルが改善した時点でエコーやレントゲンなどの検査を行いました。

 

img_9564 レントゲン写真

 

食事を1週間ほとんどしていないとの事でしたが、胃内に何か停滞していましたが、詳しい事は分かりませんでした。

その後の超音波検査で、胃から腸にかけてはほとんど蠕動運動がなされておらず、食事が停滞している状態で、これにより食欲不振が生じたとこの時点では考えました。

 

img_9565 超音波画像

 

ですが超音波検査を詳しく行うと脾臓の腫大も発覚し、これにより貧血と食欲不振が生じたと診断しました。

脾臓の腫大により胃が圧迫され、空腹を感じなくなり食欲不振に繋がり、低血糖状態に陥ったと説明させて頂きました。

 

点滴入院中に血糖値は110mg/dlまで改善し、バイタルも安定したため、その後は自宅療養を希望されたため退院となりました。

その後はご自宅での少しの食事と院内にて注射で投薬を行い、2日後に亡くなりました。

 

今回は輸血を行いながらの手術の選択肢もありましたが、飼い主様も手術を希望されなかったため、QOLを重視した処置を行いました。

 

脾臓の腫大を引き起こす原因として感染症・貧血・癌が一般的には言われていますが、普段の生活の中で気付いてあげられることは困難です。

このような病気が多発する高齢期こそ半年に1回の検査が必要だと常々感じます。

 

 

 

 

 

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