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院長の症例紹介 2016年09月03日
主訴は「後ろ足に力が入っていない」との事でした。
来院時には歩行は出来ていましたが、明かに腰背部緊張があり、レントゲンにて病変部が白くなっていたので、ケージレストと内服にて経過観察としました。
初回来院後2週間で歩行はスムーズになり、治療を終了としました。
ですが、最終治療より2年後に「急に歩けなくなった」と言うことで、時間外対応をしました。
今回はレントゲンにて明かな病態が認めませんでしたが、2年前と比べると明らかに状態が悪いため、脊髄造影をご提案しました。
この脊髄造影で病変が特定出来れば、手術を行うことをお話しました。
脊髄は機能的に4つの領域に分類されます。
また4つの領域の各場所にも腰椎や胸椎などをアルファベットで表し、数字を合わせた名称がついています。
各領域により、生じる症状も異なります。
ですから後肢麻痺の場合にも脊髄のどの部分に問題が生じているか把握がしやすくなっています。
今回の症例では造影剤注入後にT11-T13までのラインが消失しており、問題部位の特定が出来ませんでした。
麻酔覚醒は順調でしたが、手術部位の特定が出来なかったため、飼い主様に他施設でのMRI撮影をご提案し、承諾して頂きました。
MRI所見では黄色の矢印部分に炎症・浮腫が疑われました。
上記の椎間からも変性が確認されました。
また頚髄にも炎症・出血が疑われるという診断結果でした。
この結果から「脊髄軟化症」の可能性が高く、手術を行っても回復の見込みが少ない事を飼い主様にお話ししました。
脊髄軟化症とは逸脱した椎間板物質によって脊髄の神経細胞が虚血・壊死などで、脊髄実質が軟化してしまう病気です。
発症は数%の確立ですが、発症後は治療法は無く、1週間ほどで呼吸不全になり亡くなってしまいます。
脊髄軟化症診断より4日後にこのコは息を引き取りました。
「最後に家族で看取れて良かったです」と言って頂けた事は忘れられません。
こんなに獣医療が発展しても治せない病気は沢山あります。
当院でも椎間板ヘルニアの手術を行っていますが、全てのコが完治する訳ではありません。
完治できる可能性を上げるためにも、日々経験を積んで行きたいと思います。
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