診察症例:猫(雑種) メス 2カ月 麻痺 てんかん発作
主訴は「保護した猫が歩けない」との事でした。
猫を保護し、翌日には当院に来院されました。
来院時
検診時に事故などの外傷はありませんでしたが、下半身には痛覚は無く麻痺状態でした。
そのためまずレントゲン検査をご提案しました。
保護されたため年齢は推定ですが、骨の形成も未熟なため下半身麻痺の原因の診断には至りませんでした。
ですが、食欲や上半身の動きは活発なため飼い主様とご相談の上、ご自宅で経過を観察して頂き、何か変化があれば受診をして頂くようお伝えしました。
その後、下半身麻痺の変化も無く半年程は何事も無く過ごしていましたが、突然痙攣発作が重積し、緊急入院となりました。
半年過ぎ、骨は形成されていましたが骨盤狭窄により排便が困難な状態でした。
その後、便の摘出や抗けいれん薬の投与、脳保護などを3日間行いましたが、痙攣重積が改善せず亡くなりました。
今回の場合、保護された段階でのMRIなどを希望はされなかったため確定診断には至りませんでしたが、脳神経系のトラブルではないかと考えています。
猫を保護して来院される方は当院にも沢山いらっしゃいます。
外で生活していた動物達はワクチンや予防などをしていないため、主には寄生虫の感染が多いですが、命に関わる交通外傷や白血病などの病気をもっている場合もあります。
保護して家族に迎える事は本当に素晴らしい事だと思いますが、悲しい結果にならないためにも外で保護した場合は早期の動物病院への受診をお勧めします。