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院長の症例紹介

手術症例:ボーダーコリー 12歳 メス 乳腺腫瘤 乳腺腺癌 腺腫

院長の症例紹介 2017年06月28日

主訴は「胸にしこりが出来たので手術をして欲しい」との事でした。

 

12歳で未避妊だった事もあり、乳腺腫瘤を3か所確認しました。

腫瘤の出現時期は不明との事でしたが、一番大きい腫瘤はΦ70mm以上に至っていました。

 

 手術前

 

ですが、手術前の検査のため血液検査を行うとヘモグロビン8.9g/㎗、ヘマトクリット25%という貧血状態にありました。

その他の検査のレントゲン、心電図、血圧、超音波検査では異常は見られませんでした。

血尿や腹腔内出血なども無く貧血に至った詳しい経緯は不明でしたが、

 

今回、飼い主様が避妊・乳腺腫瘤3か所の切除・歯科処置を同時に行う事を希望されたため、出血や麻酔時間のリスクを考え、輸血後の手術をご提案し承諾して頂きました。

 

 

 

切除部位

 

 手術後

 

入院中に輸血を行い、輸血後に手術を施行しました。

避妊・乳腺腫瘤切除3か所・歯科処置を行うため手術時間は4時間以上に及びましたが、特記事項も無く覚醒も順調でした。

 

乳腺腫瘤に関しては来院当初より病理組織検査に提出する事は決まっていましたが、今回は避妊の際に子宮・卵巣にも異型性が確認されたため追加で提出しました。

そして経過も良好なため、手術翌日には退院し、貧血と併せて経過を観察しました。

貧血に関しては術後2週間ほどで改善し、術後16日目には抜糸を行い全ての治療を終了しました。

 

その後の病理組織検査で異型性の子宮・卵巣については悪性所見ではありませんでしたが「子宮内膜嚢胞状過形成と炎症性の卵巣嚢胞」、乳腺腫瘤は悪性転化を示す「乳腺腺癌」という事が判明しました。

子宮・卵巣はしていますが、「乳腺腺癌」に関しては再発の恐れやリンパ節の転移も考えられるため今後も経過を診ていきたいと思います。

 

当院では出産などを希望されない場合は1歳未満での避妊をお勧めさせて頂いています。

それは今回の症例の様に子宮蓄膿症や乳腺の癌などの婦人病を発症した時に、命を落としたり、手術に高いリスクがつくからです。

少しでも悲しい結果を生まないため、可愛い家族と長く元気に一緒に生活するためにも避妊を考えて頂きたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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