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院長の症例紹介

手術症例:チワワ 12歳 メス 腫瘍摘出 高分化型肝細胞癌

院長の症例紹介 2017年04月11日

主訴は「最近、嘔吐が増えた」との事でした。

 

既往歴に糖尿病、クッシング症候群、僧帽弁閉鎖不全症があり当院で継続治療をしていました。

以前より肝臓の数値(GPT、ALP)が高値だったため、肝臓薬を服用し1カ月毎に定期的に血液検査を行い経過観察をしていましたが、2カ月の間に肝臓の数値が急激に高くなった事から今回の症例は判明しました。

 

 

超音波検査画像

 

血液検査の結果から肝臓の超音波検査を行うと肝臓には6cm程の腫瘍らしきものを確認しました。

ですが、肝臓の診断をするためには麻酔をかけ病理を出す必要があるため、年齢や既往歴も考え、麻酔や手術でのリスクをお話しした上で、今回は手術を実施させて頂きました。

 

 開腹時

 

開腹を行うと、すぐに肝臓の腫瘤は確認出来ました。

 

 

肝臓腫瘤

 

ですが、エコー上では全体的に固着している様に見えた腫瘤でしたが、今回は左葉先端の有形状の腫瘤だったためレーザー切除と結紮で全てを切除する事が出来ました。

また、肝臓右葉や腫瘤付近の臓器には転移らしきものは確認出来ませんでした。

 

 切除後

 

 閉腹後

 

肝臓腫瘤摘出後は、臍ヘルニアの整復と歯の除石を行い全ての手術を終了しました。

今回は僧帽弁閉鎖不全症や高血圧などもあったため麻酔中の不整脈や急激な血圧低下など不安材料もありましたが、手術中モニターも安定しており覚醒もスムーズでした。

その翌日には食事も食べられるようになり嘔吐もなかったため退院しました。

 

今回の摘出した肝臓腫瘤を病理組織検査に提出した結果、「高分化型肝細胞癌」という悪性腫瘍である事が判明しました。

 

 病理組織写真

 

基本的に肝細胞はキレイに並んでいるのが特徴です。

ですが今回は正常細胞と類似はしていますが、乱列しているのが分かります。

また、腫瘍内に血管新生が多数認められたため短期間で腫大したのだと考えられましたが、全て切除出来たため予後も良好で、13歳になった現在も元気に過ごしています。

 

こういった症例の場合は私達でも何通りかシュミレーションを行いながら、手術時間を出来るだけ短く的確に出来るように手術方法や内容を考えます。

高齢で手術を行う場合は飼い主様にも様々な考えやご事情もあり手術に至らない場合もありますが、今回の症例は手術をさせて頂いて本当に良かったと思いました。

 

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