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院長の症例紹介

診察症例:ポメラニアン 5歳 オス 心拡大 動脈管開存症 PDA アイゼンメンジャー症候群

院長の症例紹介 2017年01月26日

主訴は「100m程走ると、3~4年前からチアノーゼが出たり、倒れるようになった」との事でした。

 

他院のレントゲン検査にて心拡大を指摘されましたが、その後原因が不明だったため、紹介にて当院を受診されました。

以前の検査結果と照らし合わせながら、当院でも心電図やレントゲン検査を行い精査しました。

 

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来院時のレントゲン写真

 

レントゲン検査にて肺動脈拡張と肺動脈基部の膨隆を確認しました。

 

1 安静時の心電図

 

心電図検査では安静時には心拍数112bpmでしたが、100m散歩しただけで心拍数は219bpmまで上昇しました。

また今回の症例はⅡ誘導とⅢ誘導とaVFに分裂したR波が特徴的でした。

 

「心拡大」と聞くと犬で一番多いのは僧帽弁閉鎖不全症からくる左室拡大です。

この場合の心電図波形はR波が高く出たり、T波が下に出たりという特徴があります。

ですが今回の心電図波形はR波が高くなり「心拡大」の症状があるものの、分裂している事から違う疾患も疑いました。

 

血液検査では静脈血のヘマトクリット値が74%とALPのみが高値でした。

 

その他には血液中の酸素飽和度は左耳では98%でしたが、下肢では70%を示し、下半身はチアノーゼ状態を維持していました。

 

この時点で「心拡大」では無く、先天性の心臓疾患からの「アイゼンメンジャー症候群(Eisenmenger)」を疑いました。

「アイゼンメンジャー症候群」の特徴は呼吸困難や失神、下半身のチアノーゼ症状です。

また心電図やレントゲンなどの検査結果においても「アイゼンメンジャー症候群」に該当するものでした。

今回の症例は全てが該当したため可能性は高まりましたが、次はなぜそういった状態になってしまったかの根本の先天性心疾患を把握する必要があったため、心臓の造影検査を行いました。

 

img_0460 造影剤投与画像

 

造影検査は造影剤を前肢の静脈から流し、造影剤の流れを経時的に確認していきます。

 

根本的に犬に多い「アイゼンメンジャー症候群」の原因は動脈管開存症(PDA)と心室中隔欠損症(VSD)が主に挙げられます。

今回は心電図上の結果とレントゲン検査での肺動脈の陰影増強より、PDAを疑い造影検査を行いました。

 

残念ながら、造影剤の経時的変化をコンピューター上の都合で症例紹介に載せる事が出来ませんでしたが、肺動脈に流れる造影剤が大動脈に流れ込んだためPDAと確定診断しました。

 

 動脈管開存症(PDA)

 

「動脈管開存症」とは胎児期に使用していた動脈管が閉鎖せずに残ってしまい、それにより大動脈の一部が肺動脈に流入する事により生じる病態の事です。

大動脈血が肺動脈に流れ込む事により肺高血圧症になり、次の経過は肺動脈血が動脈管を通って大動脈に流れ込んでしまう事によって酸素化されていない血液が下行大動脈から下半身に行く事から下半身のチアノーゼ症状が生じます。

この状態をアイゼンメンジャー化と言います。

 

PDAのみの場合だと外科的手術も有効ではありますが、経過が長く、アイゼンメンジャー化になると外科手術は禁忌となります。

そのため今回は原因は追究出来ましたが、改善するための治療は行えないため、濃くなりすぎてしまっている血液を体外に出す瀉血法と内服にて経過を観察する事をお伝えしましたが、飼い主様のご意向もあり、治療は行わずにご自宅で過ごす事になりました。

私も治せない事に悔しく思いましたが、何年も前から急に倒れる症状に悩まれていた飼い主様からは感謝のお言葉を頂きました。

 

獣医師になり10年以上経過しますが、「アイゼンメンジャー症候群」にまでなってしまった症例を診察したのは数えられる程度です。

心疾患では有名でよく知られた病気ではありますが、私が循環器についてもっと経験が必要だと思った症例でもありました。

 

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