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院長の症例紹介

手術症例:アメリカンショートヘア 1歳 オス 横隔膜ヘルニア 肝臓絞扼

院長の症例紹介 2016年10月13日

主訴は「1週間前から吐いたり、下痢をしている」との事でした。

 

下痢に関しては顕微鏡検査でラセン菌が多い印象がありましたが、長期間下痢と嘔吐が続いている事から細菌性腸炎では無く、違う原因が考えられる事を飼い主様にお話しし検査をさせて頂きました。

 

img_9624 腹部超音波検査画像

 

血液検査ではGPTの数値のみ高値で、その他には異常が見られなかったため肝臓の超音波検査を行いました。

検査では横隔膜のラインが不自然なため、レントゲン検査も追加で行いました。

 

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レントゲン写真

 

肝臓の形が異常なため、超音波検査の所見も併せて「横隔膜ヘルニア」の可能性が高い事をお話ししました。

嘔吐を完治させるためには手術は必要不可欠な事をお話し、数日間検討して頂いて、手術を希望されました。

 

img_9619 ヘルニア部

 

img_9620  肝臓絞扼

 

ヘルニア孔に肝臓の左葉が陥入し、脂肪組織が胸腔に注入していました。

 

img_9622 ヘルニア整復後

 

肝臓は一部癒着が激しかったため一部を残し、無理に剥がす事はせず、ヘルニア孔を整復しました。

 

その後の血液検査ではGPTも正常値に戻り、呼吸状態も変化が無かったため、術後3日で退院し、術後10日には全ての治療が終了しました。

術後2日目より食事は通常通り摂取でき、嘔吐・下痢も無かったため、一部癒着部は残していますが、経過は良好でした。

 

今回の症例は1歳という若さと癒着の激しさから先天性の横隔膜ヘルニアと考えています。

今回は主に肝臓に異常が見られましたが、ヘルニア孔に胃や腸が入り込んでいたり、その結果心臓や肺を圧迫して呼吸状態が悪化してしまったりと症状は様々です。

また先天性の横隔膜ヘルニアの場合、発育が遅かったり、成長時期にチアノーゼ症状が出たりするため、生後1~2ヶ月で診断するのは難しいです。

ですが放置したままだと命に関わります。

 

家族になり、成長期を迎えた時にこのような症状がみられた場合は動物病院にご相談下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

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