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院長の症例紹介

診察症例:ミニチュア・ダックスフンド 9歳 メス 発赤 皮膚炎 膿皮症

院長の症例紹介 2016年09月18日

主訴は「腹部に発疹があり、痒がっている」との事でした。

 

他院にて抗生剤を服用していましたが、再発を繰り返しているとの事でご相談を受けました。

 

img_9320 臀部

 

img_9321 腰部

 

腰部~臀部まで脱毛と発赤が広がっていました。

 

img_9327 顕微鏡検査画像

 

この時点での顕微鏡検査では「ブドウ球菌」が多量に検出されました。

皮膚の状態から様々な原因が混在している事を疑い、治療はブドウ球菌の感染のコントロールから始めるために抗生剤を処方しました。

ひどい痒みに対してはステロイドで対応しました。

 

今回の原因のブドウ球菌とは皮膚の常在菌ではありますが、増えすぎると膿皮症などのトラブルが生じます。

またヒトと比べて犬の皮膚は「角質層が薄い」などの特徴があり、猫よりも皮膚のトラブルは出やすいと言われています。

 

img_9324 初診時より2週間後

 

治療より2週間後では、発疹は減少し、皮膚の赤みと痒みが残っていました。

顕微鏡検査ではブドウ球菌のコントロールは抗生剤で出来ましたが、新たに「マラセチア」が検出されました。

 

マラセチアとはカビの一種(真菌)です。

このカビが多いと、痒みや皮膚の発赤が症状として主に出ます。

 

そこで抗生剤は休薬し、今度は抗真菌薬で対応しました。

 

img_9328 初診より2ヶ月後の顕微鏡画像

 

内服治療で感染コントロールを始めて2ヶ月ほどで、ブドウ球菌とマラセチアに関しては通常のレベルまで戻りました。

 

img_9323 腹部

 

img_9325 臀部

 

また発赤・発疹も消失し、痒みも無くなりました。

 

現在はブドウ球菌が増えすぎないように薬用のシャンプーのみでコントロールが出来ている状態です。

 

 

今回の症例で治療終了するのに3ヶ月という時間がかかり、飼い主様にも沢山の協力をして頂きました。

皮膚はターンオーバーを繰り返して新しい皮膚が作られていくので、皮膚炎などの治療には長期間かかることが殆どです。

また当院でも1ヶ月で治る症状もあれば、1年以上経過を見ている事もあります。

「すぐに痒みを止めたい」などご相談を受ける場合もありますが、根本的な原因が分からなければ、症状を繰り返すだけの後追い治療になってしまいます。

皮膚病の原因は体質・生活環境・食事・ストレスなど・・・様々な事が考えられるため、早期に結論が出せることは少ないです。

そんな原因を紐解きながら、少しづつでも治療を前に進められるように努力していきたいと考えていまので、飼い主様にもご協力頂きたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

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